西の空はまだ薄明るく、
風に雲が流されていた
低く永く 静かに
でも なにか 流れる音がきこえてそうなほどに強く
空を見上げると 雲間に浮かぶ 月
浮かぶ というよりは 漂うようにもみえる
満月でも 綺麗な三日月でもない なんともいえないカタチ
遠くにあるはずなのに なにか近くに感じられることもある。
音もなく風がとおりぬけ、 音のない音をだして雲はまだ流れている。
そう ただそれだけ
ほんとうに ただそれでいいだけ なのに
それだけでは満足できないのか、 他の何かを求めていたいのか、
流れを細かく細く薄く つくり
その中をもがく
なんでかなぁ
なんて想いながら ぼーっと歩く
大切な何か を 忘れてしまっていることに気づくとき
決まって そら をながめている
心をおおきく とらわれの精神を解放する そんな感じ
小さく小さく、ミクロの世界へと迷い込んでいる自分に気づくには
そらをみあげるとよい。
そんなふうに想った
さすれば迷い込んでいた道も すこしは みえてくる かも
なんて