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気ままにつぶやき ゆるりとフラフラと 空を歩く    
by sora-arukumono
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アラスカ  - 7 -
ソリの体験を終えて部屋に案内されると
奥さんの手料理が並んでいて、足元には子犬たちがじゃれている。

僕はこのとき(今もだけど・・)まったく英語ができなくて、
しかも引っ込み思案なもんで、会話という会話がなりたたなかった。
さぞかしゲストハウスのガイドさんもこまっていたのだろぅ、。

ソリにのせも僕は何の声を発するわけでもなく、物静かだったので
ガイドさんは不安になったのだろう
”このコは楽しかったのかなぁ?”的なことを奥さんに聞いていた。
奥さんは
”楽しかったみたいよ。” と僕に代わって問いかけに答えたのを覚えている。
それは明らかに僕の表情が変わっていたから答えられたのだと後でわかった。
緊張はきえ、うれしさがにじみ出ていたのだという。
確かにそのとおり。
ココロのうちでは楽しさが湧きあがり、嬉しさと興奮とが入り乱れて踊っていたほどだ。

3ニン+数匹で夕食。
その後 散歩 

防寒義を着て、ガイドさんが先頭。奥さんが後ろ。僕は間にはさまれ
3,4匹の犬たちと共に月明かりに照らされた氷点下の世界へふみだした。
犬たちはたちまち暗闇の中へ消えてゆき、遠くでほえながら
どこからともなく、再び僕らの前へあらわれる。嬉しそうにカラダいっぱいで気持ちを表現しているかのようだった。グルグルと僕らの周りをまわってからまた暗闇へ駆けはじめる。

そんな中月明かりでできる針葉樹の影を追い、木々の間からみえる星たちを眺めた。
宇宙服のような防寒具を着て歩くのは結構しんどかった。
自分の吐く息、雪を踏みしめる足音。 それ以外の音は聞こえない。
静まり返った夜の世界を歩いているのは僕らだけのように思えたほどだ。

どのくらい歩いたのだろうか、木々の間を抜けると突然に目の前が開けた。
凍りついた川に出た。
あたりも今まで以上に明るくなり、遠くでじゃれあっている犬たちの姿も見える。
これまでしんどかった疲れは一気に吹っ飛び
ただただ広い川の上に立つ自分のすがたと、地球のおおきさが心に焼きついた。


アラスカ、はじめての一人海外旅行は僕のちいさな心を開いてゆくとても貴重な体験となった。
音さえも凍りつくような寒さ。なぜかその寒さが心地よさを感じさせてくれた。
自然のもつチカラなのだろうか。。
お金では買えない本当に大切な時間だった。

                                 end 1995.12 Alaska


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by sora-arukumono | 2005-02-16 13:28 |
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