ipodからはcaravanの曲が流れている電車の中
お年寄りがお年寄りへと席をゆずる
地中に道をつくり電車をはしらせた人達
台風が過ぎ去った地上では
まだ強い風の吹くなかに漂う雲が
蒼く澄んだ空の中を泳ぐ生き物のようにみえる
そんな風景がひろがる
動く階段、動く箱
歩く労力を削った先にあるものはなんだろうか
光をあてれば影ができるように
何かを拾うと同時に知らずとも何かを捨てている
ただ、それもまたある一面からみた考え方にすぎず
拾うということも捨てるということも
ある意味では同じことなのかもしれない
そんなことを想い綴りながらも
動く階段を使い楽をしながら移動する
自分の価値観からいろいろなものを捨ててあてはまるものだけを拾いあげる
そんなふうに時間を過ごす
あてのない旅
その途中
少したたずんで景色をながめてみた
旅の途上