学生の頃 友人と2人でテントをかつぎ山を縦走たことがあった。
日も暮れて、寝床を確保しようと場所を探すために道からはずれて少し奥にはいった。
そこには川と呼ぶにはあまりにも細い。
けれど、その流れは心地よい音と、キラキラと輝く透明度をもっていた。
今日はココにしよう。 と二人で決めテントを張る。
食事もしなくてはと、各自リュックのなかから食料をとりだして
向かい合ってゆっくりと食べた。
ふと気がつくと日は完全に沈みあたりは静けさを増し、
木々の奥は何も見えないほど暗く、空には星達が浮かんでいた。
夜の世界だった。
僕らがいるその空間を除いて・・。
そう、僕らはひかりの中にいた。
つけていたロウソクの ひ が僕ら2人を囲っていた。
僕も友達も黙って ひ をみていた。
ひ は空気の流れにゆらゆらと揺れながら僕らを照らし、
まるでひかりのドームのように綺麗な半円の部屋をつくる。
とても心地よいじかんだった。
とても不思議なじかんだった。
はるか昔、人は同じようにだまったままじっと ひ をみていたのだろぅ。
ふとそんな想いが頭に浮かんでいた。
そんな ひ がつくりだした時間と空間。
ひかりのへや